樹勢回復、樹勢調整などの対策に

~K568 P・K568W(庭木活力・庭木健育)~

1.K568Pのご使用を検討される前に

・対象木の「樹種」、「土壌酸性度」が適応範囲であるか否か

①土壌の酸度に注意して、樹木の種類、また「硝酸性窒素肥料」または、「アンモニア性窒素肥料」を好むかどうかを確認します。

②K568Pは、硝酸性「窒素肥料」とのセット利用が必要です。特に「」は、酸度4.0~5.9を好みます。(当社調べ)

*酸性雨が降ると、土壌は緩衝作用で中性化することが多いのですが、中性では、松のミネラルの吸収が不良となり、生育が悪くなります。

2.現在 使用している肥料・農薬(除草剤なども)適切か否か

使用している肥料、農薬の注意書きを必ず確認してください。

使用してはいけない樹種が記載されている場合もあります。

例えば

・アンモニア系肥料・・・好硝酸性樹木(松など)には、おすすめしません。

・芝用肥料、松用肥料は使い分けが大切です。芝と松が混在しているところでの肥料に関しては、お問合せください。

3.前提時期やその方法が樹木にダメージを与えていないか

地球温暖化の影響かとも思われますが、樹木の剪定時期に工夫が必要と思われます。現状の方法で問題なければよいのですが、剪定後の樹勢が悪化する場合は、一度検討されることをお勧めします。

神社仏閣の行事が夏季である場合、気温が低くなるまで、剪定をずらしていただくのも一手です。

4.その他 考えられる留意事項

・風通し、水はけなどの一般的環境対策

・ダニ、その他害虫など 虫の防除

・踏みしめられて呼吸しにくい土壌、アスファルトで高温になる土壌などの対策

樹勢のよい木でも予防的に施工したほうがよいですか?
樹勢が衰退しはじめたら施工したほうがよいでしょうか?
K568Pは、すべての衰退に有効ですか?
*【考えられる樹勢衰退の原因(例)】
K568Pは、冬季休眠期施工推奨ですが、それ以外の時期の対策は?
K568Pは、どんな樹種でも有効ですか?

 

◎樹勢のよい木でも予防的に施工したほうがよいですか?


K568Pは土壌や樹木などに蓄積した酸性雨由来の「硫酸イオン」や「硝酸イオン」を分解して樹木の栄養に利用することで、樹勢を回復するという考えのもとに生まれた製品です。
今の環境では、ほとんどの木が、公害成分を吸収しているはずです。この公害成分を分解して、栄養にしてしまうということは、硫酸イオンの硫黄の代謝と硝酸イオンの窒素代謝を活性化するということです。
硫黄を含む酵素作用とビタミン合成の作用向上や、タンパク質をつくりエネルギーを生む窒素代謝という生命の活性中心の酵素の原料をK568Pにより供給することで、樹木を活性化し元気にするということです。

ただ、樹勢のよい木に施工するのは、費用のこともありまから、通常よりも個数を減らしての施工をおすすめしています。
(通常10~15CMにK568P一個、予防には、30CMごとに一個など)

◎樹勢が衰退しはじめたら施工したほうがよいでしょうか?


衰退した樹木には、K568Pの施工最適時期(冬季休眠期 気温20度以下)に施工することをお奨めします。ただし、衰退は多種多様な原因も考えられますので、すべての衰退が回復するとは、限りません。

◎K568Pは、すべての衰退に有効ですか?


47都道府県のマツの針葉を主として、各樹種、各部を分析した結果、酸性雨が降り、地球温暖化が進み、排気ガスの影響も受けやすい現在の日本の環境では、日本全国のほぼすべての好硝酸性樹木に、K568Pの成分が樹勢活性に必要だと判断しています。
樹勢衰退の十分な改善には、原因究明、その対策が必要です。
衰退原因の除去には、複数の対策を同時に行うことが必要になります。

K568Pの「窒素代謝活性酵素を活性化する成分」の供給は、どの樹木にも、現在の環境では最低限必要になってきたものだと考えています。

【考えられる樹勢衰退の原因(例)】
・車の排気ガスを直接、至近距離でふきかけている
・病原菌による衰退および、その対策に使用する農薬の使用法間違い
・昆虫や害虫による衰退および、その対策に使用する農薬の使用法間違い
・過剰な乾燥、湿潤状態の環境
・土壌酸度が樹木に適していない
・バッテリー液、セメントの洗い水、熱湯を根本に廃棄
・移植時の問題
(移植が難しい樹種、土壌酸度が合わない、根切り時の感染など)
・有機物を過剰に土にいれた(微生物感染症がおこる)
・深植え
・周辺での除草剤使用
・シロアリ、アリの影響
・国道、高速道など排気ガスの多い場所での選定樹種の問題
・剪定時の鋏がよくないなどによる切断面からの細菌感染
・アスファルトや石堀などが原因の高温時の蓄熱による障害
・寒冷時の木質の破裂破壊
・動物による表皮の外傷や糞や尿の被害
・表土の踏み固めによる根の酸欠状態
・大量、過剰の化学肥料の使用
・災害による灌水
・キノコがついていることによるダメージ
・野鳥の足について運ばれた病原菌感染
・大気汚染公害物質の停滞しやすい場所
・樹冠枯れ=ダイバック(周辺の土壌の栄養分不足、糖代謝障害など)
・土壌菌根菌、土壌細菌叢(そう)の悪化

◎K568Pは、冬季休眠期施工推奨ですが、それ以外の時期の対策は?

K568Pの施工最適時期は、原則として冬季休眠期(1月から3月)としています(気温20度以下)。年中施工も可能ですが、樹木内に樹液が多いとき、樹液が多い樹種では、K568Pを押し出してしまうこと、またマツの場合、夏場の高温期には、すでに枯れのメカニズムに入ってしまっていがちなこと、などから推奨時期をもうけています。
それ以外の季節に、弊社製品で樹勢回復を行う場合は、「美育さん」の土壌灌水、「健育くん」の葉面散布、および「元気くん」の土壌埋設の使用を取り急ぎ行うことをおすすめしております。これにより状況をみて、冬季休眠期にK568Pの施工を行う流れになります。

 

◎K568Pは、どんな樹種でも有効ですか?


K568P施工対象の樹種は、好硝酸性樹木です。ほぼすべての樹種が対象になります。竹など好アンモニア性樹木は対象ではありません。
ただ、樹液が大量に施工部に出てくることで、K568Pが樹液によりおしだされたり、施工部が閉口しない樹種があります(柿など)。
こういう樹種には、葉面散布や、土壌の根からの吸収を促進するなどの別の考察と方法が必要になります。

これまでのK568P施工樹種(例)
松全般、リュウキュウマツ、桜、梅、クス、ホウオウボク、ケヤキ、カエデ、イチョウ、クリ科、ミカン、マキ、カシ、杉、ヤシ、オリーブ他、果樹などにも

(幹が細い、穴をあけたくない場合、同成分の「庭木健育(液体)」を用います。

ご参考

樹木モリブデン値の推移

(A)現状   (B)K568施工後のクロマツ  (C)樹勢が弱っていて針葉も一部黄化していて、K568成分が上昇しなかったクロマツ

 

*「K568P」、「庭木活力」 と同成分の「庭木健育」について

〇庭木活力と何がちがうんですか?

「庭木活力」と「庭木健育」は含む主成分が同じです。「庭木活力」は棒状になっていますが、「庭木健育」は粉状になっています。モリブデンを効率良く吸収させるため、当初は幹に穴を開けてモリブデン棒を挿しこむ手法を取っていたのですが、幼木には挿せないこと、ドリルが無いと施工できないこと、木に穴を開けたくないというご要望を受けて粉状の「庭木健育」が開発されました。

高木には「庭木活力」、幼~中木には「庭木健育」のご使用をオススメしております。(木に穴を開けたくない場合は、高木でも「庭木健育」を使っていただいて大丈夫です。)

〇庭木のツチトコと何がちがうんですか?

「庭木のツチトコ」は7種のミネラルを含む植木用の肥料になります。土壌の酸度に関係なくご使用ください。「庭木のツチトコ」を使用しても庭木の樹勢がよくならない場合、酸性雨の影響で多くの庭木が好む酸性度がさらに酸性になることで庭木に吸収しにくくなるモリブデンを吸収しやすくさせるために使用します。葉面散布が最も効果が高く、次に潅水で下部もとの土に使用します。

〇どんな症状でも回復できますか?

「庭木健育」は吸収しにくくなっている窒素代謝酵素成分を庭木に補給させて樹勢の回復に効果がありますが、土壌酸度が中性アルカリ性の場合や、すでに*枯れのメカニズム*に入っている樹木には必要ありません。まず、「庭木のツチトコ+庭木元気セット」をご使用後、様子を見て土壌pHによりご使用ください。葉面散布で使用すると必要だった場合はすぐに葉が元気になります。すでに変色したり枯れている葉には効果はありません。

*枯れのメカニズム*にはいっているかどうかは、「木のかんたん検知液A」の使用もご検討ください。